研究内容

【FPGA,ハードウェアに関する研究】

 従来のデジタルハードウェアは一度設計・製造が完了したのちには変更ができませんでした。これに対して、近年では、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの書き換え可能なデバイスを用いた「やわらかいハードウェア」に関する研究が広くおこなわれています。本研究では、複数のセルと呼ばれる基本単位を組み合わせてハードウェアを実現し、各セルは周囲のセルと協調しながら自律的に自身の回路を書き換えます。これにより全セルが有機的に組織化され、1つの機能を提供するハードウェアになります。この自己組織化機能を用いることで、回路の一部に故障が発生した場合に、その故障発生個所を回避して自律的に全体の構成を組みなおすことが可能になり、耐故障性能の高いハードウェアを実現することができます。宇宙など、簡単には修理できない環境での利用が見込まれています。

鈴木,新井:”2次元自己組織化HWの耐故障性に関する一検討”,電子情報通信学会,2016年ソサイエティ大会,A-3-2,2015.
奥村,張替,新井:”動的部分二重化を用いた自己組織化HWの故障検出機構について”,情処学会,第73回全国大会,5-Y-10,2011.
張替,萬年,奥村新井:”2次元自己組織化ハードウェアのための自律的配線手法の提案”,信学会,2010年総合大会,D-10-2,2010.
矢島,新井:”2次元自己組織化ハードウェアにおける故障回復機構の検討”,信学会,2008年総合大会,D-10-5,2008.
実方,新井:”自己組織化ハードウェアによる耐故障性向上手法のCPUへの適用について”,情処学会,FIT2006,4B-C-018,2006.
椿,新井,”自己組織化ハードウェアによるフォールトトレラントシステムのための自律制御機構についての研究”,情処学会,第67回全国大会,2ZB-2,2005.

【AR, DRに関する研究】

拡張現実(AR:Augmented Reality)はポケモンGOでかなり一般的になりました。当研究室では各超現実を利用した新しい手法を提案し、さらに各超現実の技術を応用した隠消現実感(DR:Diminished Reality)の研究をおこなっています。ARは現実空間の画像上に仮想物体を重畳表示する技術ですが、DRでは現実空間にある障害物に対して裏側の映像を重畳表示することにより、あたかも障害物が消えたかのように見せる技術です。危険個所の裏側を透視してロボット等を操作することや、交差点での出会いがしらの事故を防止するなどの利用が期待されています。

【ディープラーニングに関する研究】

近年はディープラーニングを用いたAI技術が進歩しており、様々な場面で使われるようになってきました。当研究室では畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Cannonical Neural Network)によって画像認識をして自己位置推定をおこなうことを研究しています。GPSを利用できない屋内で、特殊なデバイスを必要としない位置検出技術として、ショッピングモールや空港などの広い商業施設での位置検出や、ロボットの自己位置推定に使えるのではないかと考えています。

・【メカトロニクスやロボットに関する研究】

世の中では様々なロボットが研究されていますが、本研究では一般の人が荷物運びで使えるようなロボットの開発を目指しています。例えば、大きな荷物を持って旅行に行くときや、スーパーマーケットでカートを押しているとき、荷物を載せたロボットが自動的に自分を追従してくれる機能を持たせます。このためには、追従対象者を識別する機能、追従対象者までの方向と距離を認識する機能、障害物を認識して回避する機能などが必要となります。現状では、赤外線LEDを用いたタグをイメージセンサで撮影することにより、追従対象者を識別し、タグまでの方向と距離を認識する機能を作成しています。

倉上,新井:”自動追従ロボットにおけるPDRを用いたオクルージョン対策”,電子情報通信学会, 2015年総合大会,D-22-3,2016

・その他